オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

今日の魚「カライワシElops hawaiensis」


九州では意外に見かける魚がこのカライワシ。見た目はコイ目かサケ目か、という雰囲気ですが正体はカライワシ目。幼魚期にはウナギと同様レプトケパルス期幼生という時期を経て、変態してこの形となります。見た目は異なりますが、系統的にはウナギやアナゴともそれほど遠くないのだとか。透明なレプトケパルス期幼生は毎年夏になると九州中の干潟や河口に現れます。地引網などにぺたりと情けなくはりついていたりますが、あまり気づかれません。この透明なレプトさんは意外に飼育が簡単で、傷つけないように持ち帰り、半海水でブラインシュリンプを与えると簡単に銀色の体に変態します。レプトは全長5〜6cmに成長したあと、今度は縮みながらこの銀色の体に変態していき、完成したのちにまた大きく成長するという、かなり変わった成長様式を持つサカナです。体長20cmくらいまでは汽水域や淡水域で成長するようですが、やがて海へ出て行き、最終的には成魚は1mを超えるそうです。20cmくらいまでの個体は有明海周辺の水路などで投網をうっていたりすると時々採れまして、はじめて採集した時には何のサカナかわかならかったことを思い出します。ヒレの位置とか顔つきが結構好き。密かにファンです。

透明なカライワシのレプトケパルス。