今日も寒いです。ある本の1章を共著で書くことになりまして、原稿作成中。セカンドなので完全に自分で書くのはそのうちの1節なんですが、やっぱりそれでもほいほいと書けるものではないですね。その他に、後輩と一緒にやった研究を世に出さねばということで手がけている論文と、出身研究室の先生と共著で書いている論文の手直しと、肝心の自分の論文と、明後日のプレゼン作成と、やることが多いです。正直言って自分の処理能力を超えています。そんな折、知り合いの保全団体からため池改修に伴う相談も来てしまいました。福岡県の水生昆虫図鑑で堂々と「保全のための基礎資料だ!参考にしてくれ!」とか書いて関係行政機関とかに配ってしまった責任もありますので、忙しいから断るなんてことは出来ません。
ということで農業用ため池の改修法やらなにやらについてちょっと調べていましたが、以下2つためになりそうなのを。
三重県農水商工部 「ため池整備工事に係る希少生物等保全対策指針」はわかりやすくてすばらしい。
西日本ため池研究会 (株)鳴門測量設計という業者内のページですが施工法など結構詳しくて面白い。
今回の件は、希少な水生昆虫のいるため池で、土堤体からの漏水を止めるために一旦水を抜いて堤体内側からコンクリート張りする工事が行われるかもしれない、というものです。そもそもため池は水を抜いて干すような管理を以前から行ってきているわけで、止水性水生昆虫は水がなくなったら飛んで別のため池へ避難したり、たとえ絶えても周辺からまた飛んできて個体群が回復、というのを繰り返していたものとおもわれます。ところが最近では”良い池”というのがその1つしかない、という状況になってしまっていて、干してしまうとそこに棲んでいる水生昆虫類は避難場所もなく、外から飛んでくることもなく、その地域から未来永劫消え去るという事態になりかねません。生活史の観点からはこういう時期にこういう工事をすれば回避できるのでは・・ということは思いつきますが、やはり実際に可能かどうかは土木工学の知識がないといかんともし難いです。その辺が勉強したくて工学部に移籍したわけですので、早速先生に質問したいところですが、今週はいないので、この件は来週に持ち越しと相成りました。
ため池の水生昆虫保全や堤体の工法などについて詳しい方がいらっしゃいましたらぜひ情報を教えて下さい。幸い工事は来年度ということでまだ時間はあるようです。