オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

Kawase, S., Hosoya, K. (2010) Biwia yodoensis, a new species from the Lake Biwa / Yodo River Basin, Japan (Teleostei: Cyprinidae). Ichthyological Exploration of Freshwaters, 21(1): 1-7.

論文紹介としてはすっかり出遅れた感もありますが、琵琶湖淀川水系からコイ科ゼゼラ属の新種、ヨドゼゼラが記載されました。内容解説はヨドゼゼラでググるとたくさん出てきますので、それらを参照されたらよろしいかと。昨年に淀川水系に調査に行った際に、Tommy氏と採集したのでそのとき撮った写真など載せます。

まずは雄。九州のゼゼラと同様に繁殖期には胸鰭前縁にトゲトゲが出るようです。

こちらは雌。一見したところ、ツチフキの体にゼゼラの頭をくっつけたような、そんな印象の魚です。淀川水系ではおそらく河川敷の氾濫原に依存した生活史を送っている種類と思われます。淀川水系の現状からすれば、どう考えても減少中のはずなので、詳細な生活史の解明とともに有効な保全対策の提案も必要となってくるでしょう。この愛らしいカマツカ亜科の新種がいきなり絶滅などということにならないよう祈っています。