オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

Kuramoto, M., Satou, N., Oumi, S., Kurabayashi, A., Sumida, M. (2010) Inter- and intra-island divergence in Odorrana ishikawae (Anura, Ranidae) of the Ryukyu Archipelago of Japan, with description of a new species. Zootaxa, 2767: 25-40.
先日少し紹介したアマミイシカワガエルの論文です。すばらしく充実していて圧巻でした。すごい。調べた項目は成体の形態、卵の形態、16SrDNAを使った分子系統、精巣の構造、核型、特に精巣や核型についてはハイブリッドを作成してその特徴まで見ています。これは完璧です。
結論として奄美大島で知られていた通常型と大型は同種内の変異、沖縄本島のイシカワガエルと奄美大島のイシカワガエルはあらゆる観点からみて別種に相当するとしています。そして奄美大島のものをアマミイシカワガエルOdorrana splendidaとして新種記載しています。科学的で、説得力高くて、素敵です。
私は湿地帯生物であるところのカエルが大好きなので、南西諸島に水生昆虫探しに行く時は常にカエルにも意識を配っていましたが、幾多のカエルとの出会いの中でもイシカワガエルの感動は忘れられないですね。特に奄美大島の林道でやたらでかいのを見つけた時は狂喜して写真を撮りました。ということでマイカエルフォルダからイシカワガエルとアマミイシカワガエルの画像を。

アマミイシカワガエルOdorrana splendida。2003年3月14日。奄美大島。大和村だった気がする。

イシカワガエルOdorrana ishikawae。2003年6月27日。沖縄本島。たしか東村だったような。
写真を探していて、2003年を最後にどちらも見ていないことが判明しました。また見たい。