オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

「本」

長崎県の哺乳類」松尾公則(著)
長崎県の哺乳類
楽しい本の紹介。何気なくアマゾンでポチってしまった本なんですが、想像のはるか上をいくマニアックさと面白さでした。とりあえず確実に生息する種については意地で(?)全種の生態写真を掲載しており、特になかなかそろえるのが難しいであろう食虫目と翼手目は圧巻でした。地域哺乳類ファウナ本としても最高峰のひとつなのでは?(というほど私は哺乳類本持ってないけど・・)
長崎県というところはご存知のとおり対馬を持っているので、哺乳類ならそれだけで面白いだろうという予想はつきます。しかしそれだけでなく、壱岐島や他の離島という実は生物地理学的に重要なところも深く掘り下げていますし、長崎という九州の中でも異色の博物史の下敷きを持つ地域の特性を非常に上手に絡めて紹介しています。図鑑部分の合間にあるコラムも内容がどれも濃くて、これもまた面白いです。
ということで全体的に著者の熱い何かで統一されているので、その点で評価はきわめて高いのですが、特に良かったのは巻末特集コーナーの長崎市内のジャコウネズミあれこれ(知らなかった!)、127ページのツシマヤマネコ写真をただ並べただけ(!?)のコーナー、そして裏表紙裏のニシヤモリ(なぜ突然ヤモリが!←著者は爬虫類が専門らしい)です。
こういうのがあるので地域ファウナ本購入はやめられないです。こういう熱さは良いですねー。あぁ意義とか考えずに好きな魚とか虫に没頭していたい・・