オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

本日はため池にて調査、ついで干潟にて調査。興味深い成果が得られました。寒くても出撃すべき時は出撃すべきです。
職場に戻ると注文していた本が届いていました。それはこれ↓
Jordan, D.S., Tanaka, S., Snyder, J.O. 1913. A catalogue of the fishes of Japan. Journal of the College of Science, Imperial University of Tokyo, 33: 1-497.
日本で一番最初の科学的な魚類目録であり図鑑です。某投稿原稿で査読者からこれもチェックしておけと言われて、全文PDFで公開されているんですが(リンク)、うろうろ調べていたら手の届く価格で売ってあったので思わず購入してしまいました・・。が、これは大変素晴らしいものです。やっぱり実物はイイ。秘蔵書棚に封印して疲れた時に読み返そう。
そして思いがけず面白いものも本に挟まっていました。それは葉書です。差出人は久保田知俊と自筆で書いてあり、受け取り人は大島廣とハンコで押してありました。調べてみるとこの受け取り人は元九州大学教授でナマコ・ウニ類の大学者である大島廣博士で間違いなさそうです。業績目録がありました(リンク)が、すごい業績。マゴコロガイの種小名oshimaiはこの大島博士に献名されたもののようです。一方の差出人は葉書にもあるように箱崎水族館の方であったようですが、この方は1924年に「白鷺と五位鷺との交雑ができるまで」という味わい深い論文を発表しているのをみつけました(リンク)。
葉書の内容は達筆すぎて読めない(無念・・)のですが、先生ご質問の魚は云々、と記されているようです。大島博士は返信用葉書同封で久保田氏に質問をし、この葉書はその返信であるということでしょう。この葉書が挟まっていたということは、この本は大島博士が福岡在住時に所有していたものだったのでしょうか。そうだとすればこの本は今回東京の古書店から購入したものですが、私が購入したことによって再び福岡に戻ってくることになったということになります。何だか感慨深いものがあります。古書購入はこういうのがあるから面白いです。