オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

マダニに振り回される日々・・。今日も取材一件。もちろん重要な仕事でありますが、こちらも仕事であるところの某報告書の作成は遅れに遅れています。育児もせなならんし、今年こそヤバイ。と毎年言い続けながらなんとかなっているのできっと何とかなるだろう。
お勉強中に見つけた興味深いグラフ(リンク※元サイトは国立感染症研究所)。これを見ると同じダニ類媒介性の病気であるにもかかわらず、つつがむし病は件数低下傾向ですが、日本紅斑熱は増加傾向にあります。これらの病気を媒介するダニ類に注目すると、つつがむし病を媒介するツツガムシ類は主にネズミ類や鳥類を宿主とするのに対して、日本紅斑熱を媒介するマダニ類は主にシカやイノシシなど比較的大型の哺乳類を宿主にするとされています。
で、福岡教育大の先生のサイトに近年の大型哺乳類の捕獲件数がまとめられているのをみつけました(リンク)。これを見ると1990年代後半以降、捕獲件数が上昇しているようです。これをそのまま大型哺乳類の個体数が増加傾向にあると単純に考えると、それに付着して生活するマダニ類の個体数も増加傾向にあるのかもしれません。実際に海外ではマダニ類の個体数と宿主のシカの個体数が強く相関するという研究があるようです。
今回の殺人なんとかもマダニ類媒介性です。大型哺乳類の増加→マダニ類の増加→ヒトがマダニ類と接触する機会増加→今回の感染症の顕在化や日本紅斑熱の増加、みたいな流れは仮説として容易に立ちそうです。まあすでにこんなことは専門家は気づいて調査が開始されているのだろうと思います。
このウイルスそのものは日本に古くから存在した可能性が高いとされていますので、今回の騒動はまさに日本の生態系崩壊の序章と言えるのかもしれません。もっと大事に至る前に、生物多様性保全を視野に入れた生態系管理が重要だということを、多くの人たちに気づいて欲しいものです。