オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

「アリの巣の生きもの図鑑」
アリの巣の生きもの図鑑
丸山宗利・小松 貴・工藤誠也・島田 拓・木野村恭一(著)
業界の人で知らない人はいないであろう豪華執筆陣によって著された圧倒的な図鑑。個人的にはここ数年の図鑑類でまさにベストという感想です。写真も文章も情報も本当に素晴らしい。今の時代に生きていて良かったと思いました。内容はまさにタイトルどおりアリにかかわって生きる節足動物の図鑑で、しかも日本国内産種に限定して網羅的に紹介しています。英文併記もあり、この点も世界を視野に入れている様子が伺えて大変素晴らしいです。
ページをめくるごとに何かなんというか懐かしいドキドキ感が心の中に現れました。これ、何だろうと思っていたのですが、わかりました。小学館の学習百科図鑑しか知らなった頃にいきなり「山渓カラー名鑑日本の淡水魚」や「図説日本のゲンゴロウ」を読んだ時の衝撃に近かかったのです。前者は小学生の時、後者は中学生の時に初版で親に買ってもらったわけですが、知ってると思っていた分類群にまったく知らない種類がものすごくたくさんいたという、あの衝撃と高揚感。
この年まで生き物のことばっかり調べてると、大概の生き物はまあ直接知らなくても想定の範囲内というか、ああこういうのもいるよね、という感じでスレまくっており、大抵の図鑑を入手してもあまりそういう感動はなかったのですが、このアリの巣の生きもの図鑑は違いました。一ミリも知らないことがものすごくたくさん載っています。そしてこれまでどんな図鑑にも載っていなかった生き物の美しい写真がこれでもか、と紹介されています。
うーん、本当に非の打ちどころがない。昆虫好きとか言っていてこの図鑑もってなかったらもはやその人は信用できません。自称虫好きは有無を言わず購入すべし、です。