オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

Maeda, K. (2013) Stiphodon niraikanaiensis, a new species of sicydiine goby from Okinawa Island (Gobiidae: Sicydiinae). Ichthyological Research: DOI 10.1007/s10228-013-0379-2
昨年末の論文ですが、沖縄島から新種のボウズハゼの一種、ニライカナイボウズハゼが記載されました。非常に美しいカラープレート写真、カラー生態写真も付されていて必見。保全上の理由から模式産地の詳細は伏せられていますが、論文中ではこの種の「本拠地」は他にあるであろうことが推察されています。ボウズハゼの仲間は淡水中で生活しますが、卵から孵化した仔魚は海に降りて、海流にのってかなりの分散をすることが知られています。このボウズハゼの一種もまだ見ぬ海の向こうのボウズハゼの楽園、すなわちニライカナイからやってきたのだという思いを込めてのこの名前だそうです。うーむ、すごい。いつまでも沖縄島での個体群が継続するのを祈ると同時に、まだ見ぬ楽園の発見も期待したいところです。