オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

久しぶりに野外調査。なんとなく今年改修されそうな予感がしていた水路を見に行ったら、案の定改修されていました。農地はほぼ個人・地域の持ち物なので、その総意でこうした事業が行われているということはよくわかっています。わかっていますが、生き物好きとしては、率直な感想としては、悲しいです。今年もこのシーズンがやって参りました。

よく見ると底に土がたまるような枠が設置してあり、土を詰めている様子もありますので、生き物に配慮した工法が採用されているようです。こうした点は、多少、生物多様性保全の意識が進展しつつある様子を感じます。運がよければ10年後、多少の生き物は戻ってくるでしょう。

ちなみに同じ場所の今年7月の様子。素朴な素堀り水路で、希少種としてはミナミメダカ、カゼトゲタナゴ、ニッポンバラタナゴ、アリアケスジシマドジョウなどが多くみられました。

もうちょっと横にある別の水路。もはや埋め立てられて影も形もありません。

同じ場所の7月の様子。水路の両側に粗雑にヤナギ類などが生育している、今では珍しいタイプの水路でした。

来月あたりに改修されるであろう縄張りが貼られた水路。横の素朴な護岸が素晴らしいですね。美しいと思います。

下流側に残った水たまりにはまだカゼトゲタナゴがいました。ここも上には縄張りがあったので、多くは生き埋めになるのでしょう。もちろんここの生息地がなくなっても、この水系にはまだ産地が残りますが、カゼトゲタナゴは絶滅危惧IB類です。まだ他にあるからいい、というような形での生息地の消滅は、いったいいつまで、同じ形で続くのでしょうか。