オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

気づいたら11月です。初夏の遅れを取り戻すかのように、なんたらかんたらすることが多いです。ということで癒しにチビミズムシ属を・・・

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これはチビミズムシMicronecta sedula。実は福岡県内でこれまで採ったことがなかったのですが、昨日の調査でついに採集することができました!山間の貧栄養の素晴らしい池にいましたが、ああいう池にしかいないのだったら、生息地は確実に減り続けているはずで、ひょっとして県内ではレッドリストに該当する種なのではないかという気もしています。今後も注目していきたい種です。

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県内でもっとも多いのがこのハイイロチビミズムシMicronecta sahlbergiiです。低平地の富栄養なため池ではきわめて普通にみられ、大群でいることも多いです。

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次いでみられるのがクロチビミズムシMicronecta orientalisです。この種は沿岸域の池沼や河口域など、わずかに塩分があるような環境を好みます。したがってやや局地的ですが、そうした環境を狙えばみつかるという感じでしょうか。

この3種は大きさも見た目もものすごくよく似ていますが、実物をみると確かにチビミズムシが一番普通の色で、ハイイロチビミズムシはより灰色で、クロチビミズムシはより黒いです。でも普通気づかないレベルです。どの先生がつけた和名か知りませんが、ものすごくよく観察されていて、感動します。とはいえ、この3種の外見での区別は難しく、正確な同定にはオス交尾器の確認が必要です。生息環境には違いがあり、色合いも異なるので、採った段階である程度の予想は可能ですが。

また県内にはもう一種、コチビミズムシMicronecta guttataが分布していますが、この種は流水性で河川のよどみでみられること、また一回り小さいことから区別は容易です。