先日の某調査での目的の一つはヒョウモンドジョウの現状確認。本種が生息する某県では条例により採捕が禁止されているのですが、現状を誰も把握していないことが問題と考え、県庁からの採捕許可を取得して調査を行いました。

久しぶりに採集しました。かなり大型の個体です。ヒョウモンドジョウは清水ほか(2011)で報告されたドジョウ沖縄島集団に対して、中島・内山(2017)が形態的な定義を行い和名を提唱した学名未決定種です。不明な点が多い種ですが、遺伝的にも形態的にも特異で貴重なのは明らかで、今後地元と保全の取り組みを進めたいと考えています。今回はその打ち合わせも少しできて良かったです。
希少種の条例指定については色々と思うところがありますが、とにかく指定が保全につながるということが何よりも大事です。一般的に水生動物は目視確認が難しく、採捕しないといるかいないかわからないので、条例により採捕が禁止される場合、指定した行政がきちんと現状把握の調査を行わないと、生息情報がゼロになってしまいます。つまりいつのまにかいなくなってしまう、という事態になりかねません。指定する以上は、指定解除に向けた道筋設定(=生息状況を改善して絶滅の危機が回避される)はもちろんのこと、せめて現状把握を定期的に行う仕組みまで責任をもつべきであると思います。ヒョウモンドジョウの生息地のうちいくつかはきちんとモニタリング調査がなされていますが、いくつかはこのままひっそりいなくなる可能性があります。そのあたりの保全の枠組みも、いずれ提言していきたいものです。それと同時に学名決定、つまり分類学的研究も進めなくてはいけません。個人的にだいぶ道筋は見えてきているので、あと少しという感じではあるのですが、いくつかひっかかる点もあり、悩んでいます。難しいです。しかしそろそろ決断せねばなりません。