オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

中国の淡水魚その10

その他の魚を2回にわけてご紹介します。

Protosalanx chinensis。大銀魚です。前に紹介したとき学名を間違っていたようです。遺伝的にも裏づけがとれているようで今後はこちらを使うのが正しいのではなかろうかと思います。アリアケシラウオをはじめて見たときも感動しましたが、これはさらにその上を行くかっこよさです。

Neosalanx taihuensis。ヒメシラウオ属です。太湖にちなんだ学名ですね。一見したところアリアケヒメシラウオに良く似ています。

Oryzias sinensis。中国メダカ。以前は日本のメダカの中国集団的な扱いでしたが今では別種として記載されているようです。一見したところメダカにしか見えません。

Hyporhamphus intermedius?他魚種の分布や生息環境などから考えると、クルメサヨリと同種ではないかと思います。見た目はクルメサヨリそのままでした。
今回調査をしたチャオシー川が流入する太湖はもともと汽水湖であったようですが、古い時代に長江から切り離されて、現在では完全に淡水化しているということです。ということでシラウオ類やエツ、サヨリなどは完全な純淡水性ということになるのでしょうか。ここらあたり大変興味深いですね。
次回はその他の魚その2です。
参考文献
Chen, YR., Uwa, H., Chu, XL. (1989) Taxonomy and distribution of the genus Oryzias in Yunnan, China. Acta Zootaxonomica Sinica, 14: 239-245.
Parenti, LR. (2008) A phylogenetic analysis and taxonomic revision of ricefishes, Oryzias and relatives (Beloniformes, Adrianichthyidae). Zoological Journal of the Linnean Society, 154: 494-610.
Zhang, Y., Qiao, X. (1994) Study on phylogeny and zoogeography of fishes the family Salangidae. Acta Zoologica Taiwanica, 5: 95-105.
Zhang, J., Li, M., Xu, MQ., Takita, T., Wei, FW. (2007) Molecular phylogeny of icefish Salangidae based on complete mtDNA cytochrome b sequences, with comments on estuarine fish evolution. Biological Journal of the Linnean Society, 91: 325-340.