オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

韓国さかな採り〜その4

7月26日の午後、いよいよラストの地点です。さらに上流域に向かいました。

雨が続いているせいで若干にごりが入っていましたものの、水はきれいです。ということでまずは持参したシュノーケルを使って潜ってみました。あまりの豪華さに息をすべて吐くところでした。水中にはホタテコブクロカマツカ、シュリ、ムギツク、ホソムギツク、韓国カワムツ、ミナガミヒガイ、コンゴウハヤの混成群が・・。Tommy氏と一緒にヤバいですよ、これヤバい、と乏しい語彙で絶賛するしかありませんでした。水中写真撮れなかったのは残念です。ひととおり潜って見たあとは採集。

ホタテコブクロカマツカMicrophysogobio longidorsalisのオス。すごい背鰭!形はツチフキなのに流れがはやい場所の川底をついばみながら俊敏に泳いでいる様子に違和感を感じました。

ホタテコブクロカマツカのメス。よりツチフキっぽい。

ホタテコブクロカマツカ幼魚。これもツチフキっぽい。

Ladislabia taczanowskii。誰にも似ていない魚・ミナガミヒガイ。ヒガイぽい顔ですが、なんか違う感じです。産卵は礫底?で行うようで、二枚貝も使わないらしい。ふしぎな魚です。

Coreoleuciscus splendidus。みんな知ってるシュリ。やはりゴージャスで主役の貫禄十分です。

Pseudopungtungia tenuicorpa。これも出会いたかった魚の一つ。ホソムギツクです。潜ってみていると、ムギツクとも一緒に泳いでいましたが、何だか頼りなくフラフラと泳いでいるように見えました。でもこれも託卵するらしいです。うーむ・・ムギツクとどのような生態的な違いがあるのだろうか・・。

Rhynchocypris kumgangensisコンゴウハヤです。産卵期は過ぎたということで地味な色でしたが、何ともいえぬ味わい深い魚でした。

Nipponocypris koreanus。韓国のカワムツ。婚姻色の出方など、九州のカワムツとはだいぶ異なるようです。

Pseudogobio esocinus。我らがカマツカ!!大きな個体を見たかったので、この私が黄金の左手(右ききですが)を炸裂させて素手で捕獲しました。どうです、この御姿!でかい、かっこいい!!やはり東アジアのカマツカ亜科の王様はカマツカではないでしょうか。ヨーロッパ的にはニセゴビオだけど(悲)。

漢江水系産カマツカの御顔。カマツカ教団団員であるところの私とTommy氏は、この顔を見に韓国に来たといっても過言ではありません(本当ですよ!)。「トッTommyさん、どうですかこの顔は?」「・・うーん・・G1と区別がつきませんね・・。でもやっぱりかっこいいですね・・」という会話がなされました。いずれあちらの研究者との共同研究など企画して、詳細に遺伝子を調べてみたいものです。

ということで今回、アキミツさんと行く韓国魚とりツアーは無事に終了いたしました。写真は翌日の帰りの様子です。ものすごい雨で前の車のテールランプも見難いくらいでした。日本に帰ってきてからニュースを見ると大災害だったようで、本当にこの2日間川で魚採りが出来たのは奇跡でした。私とTommy氏は二人そろうとたいがい雨なので、この強運はアキミツさんのおかげ以外には考えられません。本当にありがとうございました!
これで魚編はおしまいですが次回はその他の水生生物の画像を適当にアップします。

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