オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日本の水生昆虫修正点の追加

好評いただいているネイチャーガイド日本の水生昆虫(リンク)ですが、P.192~196及び検索部のP.325のマルヒメドロムシ属Optioservusの体長表記に間違いがありました。お詫びするとともに、訂正を以下にまとめます。体長記述の間違いをご指摘いただいた上手雄貴博士にこの場を借りてお礼申し上げます。

ツルギマルヒメドロムシ → 3.1-3.4 mm

ムナミゾマルヒメドロムシ → 2.5-2.7 mm

ダイセンマルヒメドロムシ → 2.6-2.9 mm

スネグロマルヒメドロムシ → 2.7-2.8 mm

タテスジマルヒメドロムシ → 2.7-3.1 mm

スネアカヒメドロムシ → 2.7-3.0 mm

ツヤケシマルヒメドロムシ → 2.1-2.3 mm

コマルヒメドロムシ → 2.3-2.5 mm

P196の検索部ではスネアカヒメドロムシ系とセアカヒメドロムシ系の区別点として体長2.1mmを基準にしていましたが、正確には2.5mmがおおよその基準になります。

なお体長というのは同定する上で参考になる情報ではありますが、一方で論文ごとに計測法に若干の違いがあり、また標本の作製の仕方(頭部をしっかり前に出すか、前胸背を持ち上げるか)などによってもその値が大きく異なります。特に微小種についてはわずかな作成法・計測法の違いが大きな差になることもあります。

ということを書くと、例えば上の「2.5mm」が基準とか参考になるのという気がするかもしれませんが、生物では同種内でも体長の個体変異がいくらかはあるのが普通で、極端に小さな個体や極端に大きな個体はどうしてもでてきてしまいます。そして標本の作製法や撮影の仕方によっても、誤差が生じてしまいます。ただ「だいたいこのくらい」という値は実はけっこう安定しているもので、実際はセアカ類は2.5ミリより小さい個体が多いですし、スネアカ類は2.5ミリより大きい個体が多いです。なんとなく小さい、なんとなく大きい、と仮に位置付けた上で、体型や細かい形態をチェックしていくとより正確な同定が可能になります。