オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文(淡水魚)

中島 淳・野一色麻人・橋口康之(2021)トカラ列島中之島におけるドジョウの初記録.Ichthy, Natural History of Fishes of Japan,5:1-5.(LINK

トカラ列島中之島から採集されたドジョウ属を形態と遺伝子の観点からドジョウと同定して記録した論文を出しました。オープンアクセスです。リンク先からPDFをダウンロードできます。

Table1では東アジア産種を中心にドジョウ属8種(9系統)の調節領域の典型的な登録塩基配列を整理しました。DNAバーコーディングによる種同定に使えると思います。東アジアのドジョウ属は分類が混乱しているので、DDBJなどで学名で検索しても同じ学名で複数種の塩基配列が登録されています。つまり塩基配列からBLAST検索して出てきた学名も信用できません。このTable1で示した種名と塩基配列の対応は私が厳選したので、現時点ではわりと信用できると思います。

ただ、ドジョウは容易に種間交雑するのでこの塩基配列であるからすぐその種そのものである、とはならないので注意が必要です。現物があるならやはり形態同定もしなくてはいけません。現時点での日本産種については学名未決定種も含めて「日本のドジョウ 形態・生態・文化と図鑑(山と渓谷社)」に形態的定義を示しています。

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