オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

なんか色々とやることが多いですが、研究もぼちぼち進めています。今日は小さな巻貝の標本作成に挑戦してみました。

対象はこちら、九州固有の湿地帯生物・オンセンゴマツボです。なんと水温40度を超える環境にも生息可能という変わった巻貝です。本種は大分県希少野生動植物の保護に関する条例の指定種となっており、無許可での採集・標本作成は禁止されていますが、NPO法人北九州・魚部として正式に大分県から許可をとり、今年から調査研究を進めています。

ということで今日は標本作成をしてみました。貝類のプロ中のプロである岡山大学のFUKUDA先生から色々とご指導いただき、適切な加熱時間&標本作成法をご教示いただいたので、それに従って行いました。上記は殻+蓋+軟体部+切除した筋肉という構成です。このうち、殻と蓋は乾燥標本に、軟体部は5%ホルマリン固定して液浸標本とし、形態学的な研究に用います。切除した筋肉は無水エタノール固定して遺伝学的な研究に用います。上の写真はうまくいった個体ですが、うまくいかなかった個体もありました。それも無駄にならないよう、別の方法で標本化しました。貴重な生物ですので、きちんとした標本にして、研究に活用していきます。