オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

Suzuki, T., Shibukawa, K., Aizawa, M. (2017) Rhinogobius mizunoi, a new species of freshwater goby (Teleostei: Gobiidae) from Japan. Bulletin of The Kanagawa Prefectural Museum Natural Science, 46: 79-95.(PDF
ルリヨシノボリが新種記載されました!日本の淡水魚に学名がついて、大変おめでたいです。未記載だったことにも驚きです。模式産地は静岡県伊豆半島。分布は北海道西部から九州南部と韓国の済州島です。論文を見てもわかるとおり、ヨシノボリ属は古い記載も多い上に分類が難しく、ものすごく混沌としております。しかし、丁寧な研究により絡まった糸が一つ、見事にほどけたようです。種名はヨシノボリ属の研究で名高い(イシドジョウの記載者でもある)、水野信彦博士に献名されたものです。

ということでルリヨシノボリRhinogobius mizunoi Suzuki, Shibukawa & Aizawa, 2017です。これは福岡県産。福岡県ではなかなかお目にかかれません。頬の瑠璃色斑点が美しいヨシノボリです。
ついでにすでに学名が決定している本土ヨシノボリ4種も。

クロヨシノボリRhinogobius brunneus (Temminck and Schlegel, 1845)。学名が決まった論文を紹介した時に書いたブログ記事

シマヨシノボリRhinogobius nagoyae Jordan & Seale, 1906。これは魚類検索第3版で確定。

オオヨシノボリRhinogobius fluviatilis Tanaka, 1925。学名決定の論文はこちら。学名が決まった論文を紹介した時のブログ記事

ゴクラクハゼRhinogobius similis Gill, 1859。学名決定の論文はこちら