オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

今日は調査でした。心配された天気もまずまず。毎年地味に調べています。

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カマツカです!かっこいいです!

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今日のオイカワ。美しい。でももっともっと色でますね。色にばかり注目が集まりがちですが、鰭の造形なんかも相当スゴイですよ。

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カネヒラのオス。成熟していて、腹を押すと精液を出しました。やはり春も産卵しているのでしょうかね。気になります。

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ヤリタナゴ。もう産卵期はほぼ終わったようです。

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ゼゼラ。お腹は大きく、これから産卵期です。

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金色の・・ギンブナ?オオキンブナ?ちょっと違和感のある個体でした。このあたり、これはこれですとすっきり言い切りたいです。誰か研究してください。

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外来種のコイ。体高が高く、尾鰭や尻鰭が赤いことなど、典型的なタイプです。

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九州では外来種のコウライモロコ。年々増加しています。ものすごい数です。絶対にどこかに悪影響が出ていると思うのですが、はっきりしません。危惧しています。

 

日記

東京都知事がオリンピックにあわせて笠的なものを発表したというニュースをみました。このタイプの笠は私も以前から愛用していまして、真夏の湿地帯調査や小雨時の湿地帯調査にも最適です。唯一の欠点として持ち運びがしにくい、というところがありまして、そういうことで離島遠征などにはなかなか持っていけません。ただし便利なので車で行ける時の調査ではだいたい使用しています。ここに写真をはっておきます。

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湿地帯でこんなクリーチャーに出くわしたら、すぐに逃げて下さい。

日記

ツイッタでイモリが話題になっていたのでイモリイモリと調べていたら、イモリのこんな研究紹介をみつけました(リンク)。元になった論文はこの3つのようです(123)。全国のイモリの遺伝的集団構造も明らかにされていますが(リンク)、この一連の行動研究を実施した地域は九州北西部を中心としているので、大まかには一つにまとまる近縁の集団構造内での行動に地域的な違いがあるということになります。大変興味深いです。

これらの研究から、各地のイモリが数十万年かけて形作られた自然遺産だということもよくわかると思います。すなわち、イモリはイモリですが地域によって「違う」わけです。例えばお店で買ってきたイモリをその辺に放つという行為は、こういう地域的な違いを、すなわち地球の自然遺産を取返しがつかないレベルで破壊する行為なわけです。だから一度飼うことを決めたら、絶対に最後まで責任をもって飼育しましょう。

ところでイモリの「防御姿勢」ですが、実はほとんど見た記憶がありません。改めて写真を調べてみますと、やはりこのように暴れ回っている写真ばかりでした。

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うおおお

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やめろぉぉ

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あああああああ

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ぎゃうぅぅぅ

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(シーン・・)

と言う感じで、何故でしょうか。今年はイモリの防御姿勢をなんとか撮影してみたいと思いました。

 

ドジョウ文化

昨日に愛知県名古屋市で用事があったので、今日は同県豊山町まで行って、念願のドジョウ押し寿司を食べてきました。

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食べたのは「キッチンくま(リンク)」さんです。ドジョウの押し寿司は豊山町の郷土料理で、かつては10月の秋祭りの時には必ずつくられていたそうです。キッチンくまさんはいわゆるレストランですが、そんな文化を大切にするという観点から、ドジョウ寿司も作り続けておられます。とは言えいつでもあるわけではないので、前日までに予約をする必要があります。

ということで出てきたお寿司は、小さなまっすぐのドジョウが丁寧に並べられたとてもきれいなものでした。食べてみると、味は甘めで、ドジョウの味わい深く、その小骨が最高に良いアクセントになっていました。とても美味しかったです。

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さらに事前調査では豊山町商工会(リンク)にはオリジナルゆるキャラ「どじょたん」がいるという情報を得ました。ということでノー・アポイントメントだったのですが訪問すると、快くご案内いただき、写真も撮らせていただきました。どじょたんは上唇に3対、下唇の2対の合計5対10本の口髭をもち、ドジョウ属の特徴を備えていました。デザイン的に非常に優れています。素晴らしいです!地元ではかなりの知名度&人気だとか。

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特別にシールももらってしまいました。たいへんGOODです!ということで今回の豊山町ドジョウ押し寿司&どじょたん訪問レポートは、北九州・魚部の会誌である「ぎょぶる」の9号あたりで、より詳しく報告できればと思っています。お楽しみに!

それから今回、突然福岡県から訪問した怪しい博士に対して親切に対応いただき色々と教えていただいたキッチンくまの皆様、豊山町商工会の皆様にお礼申し上げます。また、情報をいただいたヒビノ先生にもお礼申し上げます。本当にありがとうございました。良い経験と思い出が出来ました。

 

日記

今日は湿地帯でした。良い湿地帯でした。

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ニッポンバラタナゴ。これでも実物の美しさの半分くらいでしょうか・・。調査中写真ではこの美しさは再現できません。繁殖期はもうそろそろ終わりかなという気がします。

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セボシタビラです。今回はこの種の分布情報の確認でしたが、これは楽園かもしれません。なんとか守りたいです。それにしても美しいです。産卵期はもう終わりかけかなという感じです。

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モツゴ。渋いですが美しさでは負けていません。産卵期はこれからがピークでしょうか。

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ヌマムツ。顔がなんか違うんですよね・・何か・・・

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ゼゼラ。

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上が国内外来種のコウライモロコ、下が在来種のイトモロコです。この2種の関係は気になっています。

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特定外来生物ブルーギル。婚姻色が出ていて鮮やかです!かっこいいのは、かっこいいんですけどね・・

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これは別の場所。アリアケスジシマドジョウです。特徴的な楕円形の斑紋が良く出ている個体です。

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二枚貝。左上がマツカサガイ、右上がニセマツカサガイ、下がオバエボシです。まだ絶滅してなくて良かったです。これらはすべて丁寧に元のように底質につき刺しておきました。

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おまけ、アオダイショウです。怒っています。ゆったりしているところを捕まえたので悪いことをしました・・。しかし観察会などで出現したらぜひ子供達に触って欲しい生き物なので、常に捕まえる練習をしおかないといけません。

 

日記

令和初湿地帯です。長期連休によりなかなか湿地帯に行けず禁断症状が出ていたのですが、ようやく湿地帯に行くことができました。

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この緩傾斜と最近水没した感じがたまりません。実に、たまりません。

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令和初ドジョウです!

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コイやらフナやらが大繁殖していました。ここのコイはおそらく外来です。

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フナ。変なフナ。。なんか背鰭とか顎とか・・なんだろう。。

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しかしドジョウは在来系統のようです。今日は秘密情報を得てご案内いただいた成果なのですが、これは最高に良いドジョウ池です。なんとか保全されるようかかわっていきたいところです。これで残りの連休もなんとか乗り切れそうです。

日記

今日で平成はおわり、明日から令和になるそうです。個人的には伝統文化というのが好きなので、こうした元号システムや天皇制、そういう観点からはとても長く続いている日本の文化でもあり嫌いではありません。今上天皇と言えばやはり、魚類学者、それもハゼを対象とした形態学、分類学、分子系統学に取り組んでいたことは有名かと思います。ということで平成最後にハゼの画像でも貼ろうかと思います。

で、平成に記憶に残ったハゼというと何があるかなーというところですが、はじめて見た有明海のムツゴロウや超巨大なハゼクチ、あるいは散々探してようやく出会えたシロチチブ、南西諸島の川できらめいていたナンヨウボウズハゼ、はたまた研究室近くの干潟で出会ったチクゼンハゼなどなど、思い出に残るハゼは多々あります。でもやっぱり、故郷の川にいたジュズカケハゼが一番思い入れがあるかなという気がします。

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ということでジュズカケハゼです。現在はムサシノジュズカケハゼという和名になっています。八王子産。

実はジュズカケハゼは幼少時から川でしばしば採ったりしていたものの長らくその名前がわからなくて(名前がわかる図鑑をもっていなかった)、1987年に出版された「フィールド図鑑淡水魚(東海大学出版会)」を買ってきっとこれだろう!というところに至り、1989年(平成元年!)に出版された「山渓カラー名鑑日本の淡水魚(山と渓谷社)」の詳細な解説文を読んでようやく確信した、という経緯があります。その後、中学高校時代は繁殖を目指してずっと飼育していました(うまくいきませんでしたが)。なので個人的には平成になってようやくその正体がわかった謎のハゼ、中高生時代にもっとも飼育に熱中したハゼ、それがジュズカケハゼなので、何か平成の思い出のハゼ、となるとやはりこの種が思い浮かんでしまいます。

退位後もハゼの研究は継続されると聞いています。今後の研究活動の展開も、一淡水魚ファンとしてとても楽しみにしています。

ちなみに平成最後に採った魚はなんだったかな、ということでフォルダを確認しましたがそれはおそらく先週の秘密調査で出会ったこのオンガスジシマドジョウということになりそうです。自分が平成に成した仕事を代表するものの一つではあるでしょう。美しいです。

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次の令和も平和で良い時代であって欲しいものです。平成の悪かったところが良くなり、良かったところがより良くなるよう、この時代を生きる人間としてできるところは努力していきたいです。