オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

カラドジョウとドジョウ。その顔を比べてみます。

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これはカラドジョウです。

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これもカラドジョウです。カラドジョウの原産地は朝鮮半島から中国中南部。食用として輸入されたドジョウに混ざって日本列島に持ち込まれ、そうした外来ドジョウと一緒に野外に放流されたことで日本各地に定着したものと思われます。

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これはドジョウの九州在来系統です。

こうしてみるとカラドジョウとドジョウとの違いは明白。よく見ればカラドジョウとは全然違う顔をした別の魚であることがわかりますね。「ドジョウ」だからと言ってよく知りもせずにその辺に放流して取り返しのつかないことをしてはいけないことがわかりますね。カラドジョウはドジョウと交雑することも知られており、国内に持ち込まれて外来種として定着してしまったことによる問題は、色々と大きいのです。これ以上広がらないように、放流はやめましょう。

 

 

日記

ビオトープ調査。某地にビオトープ公園をつくるという話で、単に掘って水がたまっただけで何もいれていませんが、かなり良い感じの湿地帯に。

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カワツルモが勝手に大群落をつくっていて感動しました。湿地帯は再生するのですねぇ。。

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色々な水生昆虫も勝手に棲みついていましたが、ここではチビマルガムシが多産していて良かったです。県内ではあまりみかけません。甲虫はほかにハイイロゲンゴロウ、コガタノゲンゴロウ、ヒメガムシ、キイロヒラタガムシ、ルイスヒラタガムシ、ゴマフガムシ、ヤマトゴマフガムシが確認できました。

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コミズムシ属とかチビミズムシ属とかは無限に湧いていました。場があれば湿地帯生物はどこかから勝手にやってきて、勝手に増殖します。こうした湿地ビオトープが各地に出来れば生物多様性保全の大きく貢献するでしょう。くれぐれも、池をつくってコイやら西洋スイレンやらの外来種を放流したり植えたりしてはいけませんよ。

 ところでここは2年ほど前から水がたまっているのですが、何故か昨年からヌマガエルが繁殖しています。立地的にとても歩いてこれるとは思えないのと、一般人立ち入り禁止なので、どこから飛来してきた鳥(サギ類?)がここでオタマジャクシを吐きだしたとか、そういう由来かと考えています。しかしどこからやってくるのやら・・。上の写真に写っているオタマジャクシがヌマガエルです。

日記

今日は調査でした。今年は海も調べないといけないのですが、海は苦手です。でも仕事なのでしますが。。

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久しぶりに本格的な干潟に行ったらしにそうになりました。夏の干潟はキツイ・・。しかしながら久しぶりに本格的な干潟にいったおかげでカブトガニに出会えました。久しぶりです。やはりただならない雰囲気ですね。カッコイイです。

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クサフグです。クサフグは河口にもよくやってくる魚なので、比較的なじみ深いです。

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これは別の場所。干潟ではなくて砂浜です。砂浜とか完全に守備範囲外です。この仲間は苦手ですが、調べた感じでは上がクロウシノシタ、下がササウシノシタでしょう。似てますが腹を下向きにした際に、クロウシノシタは左向き、ササウシノシタは右向きです。この2種は科も違うので、だいぶ違うようです。

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クロウシノシタはものすごくたくさんいました。こんなに採ったの初めてかも。川にはいないタイプの魚なので、これはこれでカッコイイです。異体類すごい。

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何か無脊椎動物が打ちあがっていました。おそらくヤマトメリベという生き物と思われます。遊泳性のウミウシの仲間です。Youtubeに動画がありました。このように袋状になった部分で小動物を包みこんで捕食するようです。変です。

www.youtube.com

 

書評

八郎潟・八郎湖の魚 干拓から60年、何が起きたのか」杉山秀樹(著)、秋田魁新報社リンク

秋田県で長く淡水魚類を中心に地道な研究をされてきた杉山秀樹博士による渾身の著作です。コンパクトではありますが、前半の図鑑編、後半の文化編と情報量が多く非常に勉強になりました。

図鑑編ではいわゆる淡水魚類の他に、周縁性淡水魚類というか海水魚でありながらかつての八郎潟あるいは現在の八郎湖にしばしば入ってくる種類の掲載種数が多く、当地の魚類相を考える上でも非常に参考になります。

後半の文化編では、ドジョウ食文化も少し載っていましたが、コイやウナギに関すること、多様なフナ&ワカサギの食文化、それからかつて大量に漁獲したボラ供養のための「鯔塚」の話など、初めて知る内容が多く興味深いです。

かつて日本列島第2位の湖沼として君臨し、大量かつ多様な魚類の生息場となっていた八郎潟、そしてその周囲にあった文化。そんな八郎潟干拓した結果、失ったものは何であったのかということがよくわかります。おすすめです。

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干拓や埋め立て、確かに得られるものはありますが、長い年月を見たときに得たものと失ったもののバランスがとれていたのか、今後はきちんと検証していかないといけないでしょう。そして戻せるものは戻せるうちに戻す、という判断ができるものもあると思うのです。今後そうした国になっていって欲しいと、この本を読んで個人的に思いました。

日記

今日は調査でした。出身研究室の先生と学生さんと、大人数での調査は久しぶりで楽しかったです。でも目的の某種は採れず・・・

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ヤマトシマドジョウです。あいかわらず美しいです。

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カマツカです。相変わらず非の打ちどころがありません。

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ナマズ。今年生まれですね。ナマズの成長速度は驚異的なので、これでも生まれて1カ月程度と思います。

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カライワシのレプトケパルス幼生です。久しぶりにみました。九州北部ではこの時期、河川感潮域でしばしばみかけます。

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ミシシッピアカミミガメの幼体。いわゆるミドリガメアメリカ大陸原産の外来種ですが、しっかりと繁殖し定着しているようです。美しい亀なんですけどね。。

日記

今日は少し時間がとれたのでドジョウの観察など。どれもドジョウですが、どれがドジョウなのでしょうか。難しいです。

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ムムム・・ しかしどれも同じとして扱ってはいけないものだということは、わかってきました。